• AH調査報告
  • 2016/06/01

1年間の主婦の歩く距離が73.74km減少 アキュラホーム「2014年住宅傾向」について

木造注文住宅を手がける株式会社アキュラホーム(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:宮沢俊哉)は、同社が全国で手がけた住宅のうち、2009年、2014年の各100棟(計200棟)の住宅の間取りを比較し、その変化について調べました。


5年前と比較した2014年の
住宅傾向について

2014年の住宅の傾向として、家事動線(※1)を短くすることにより居住スペースを広くとる工夫をしていることが2009年より多いことがわかりました。その一方で、シューズクロークなどの収納はしっかりと設ける住宅が増えています。その傾向が見られる理由は主に2つあると考えられます。

1忙しい主婦が増えている
年々共働きの夫婦は増えており、現在は男性雇用者と無業の妻からなる世帯745万世帯に対し、約1,065万世帯が夫婦共に働いています(厚生労働省「平成25年度国民生活基礎調査」)。そんな中、住宅の間取りでは、家事動線を短くしたり、収納を使用場所の近くに設置する傾向にあり、家事の効率をあげる工夫がされているのだと思われます。
2家族とのコミュニケーションを重視している
近年では、家族とのコミュニケーションをしっかりとりたい、と考えている家庭が多く、リビング階段や対面キッチンを導入する人が多くなってきています。
そうすることにより、自然と家族が顔を合わせる機会を増やし、コミュニケーションが容易になるからだと考えられます。
※1 炊事や洗濯など家事をする時に人が動く経路のこと。(住宅用語大辞典)

主婦の1年間で歩く距離が5年前と比べて最大約73kmも短くなっている?!

主婦が家事をする際、1日で一番往復することが多いと言われる「キッチン⇔洗面」の距離を調査したところ、2009年は平均で5.72mあった距離が2014年には1.25m短くなり、4.47mになっていることがわかりました。主婦は一日平均4.84km、1年間で約1767.80km歩いていると算出した場合、家事動線が短くなったことにより、最大で73.74km(※2)も短くなっている計算となります。

※2日本女性(30歳~39歳)の平均身長158cm(厚生労働省 身体状況調査参照)の平均歩幅を70cmとし、主婦(女性:30歳~39歳)の1日の平均歩数は6,919歩程度と言われていることから、1日4.84km、1年間で1767.80km歩いていると試算。さらに、1日(平日)の家事時間が共働きの主婦の場合、平均4時間33分であることから、1日の18.96%が家事に所要する時間であり、これを動き(歩数)にもあてはめると、2009年の家事動線の距離5.72mと2014年の家事動線の距離4.47mを比較して家事動線が5年間で約22%短くなっており、家事時間で一年間で歩くとされる335.17kmの22%、73.74km短くなったと言える。
※家事時間が全ての家事導線の歩数となることはなく、あくまでも理論上の計算値として算出です。また、2009年に建築した住宅100棟(120.13㎡)、2014年に建築した住宅100棟(116.70㎡)の延床面積の変化(2.9%縮小)を加味せずに出した計算値となります。

シューズクロークの導入率が24%増!

シューズクロークを導入する住宅が2009年は35%だったところ、2014年は59%と24%増加しました。靴を始め、コートやベビーカー、アウトドア用品や子どもの遊び道具などの収納を、使用場所近くに設置することにより、片付けを効率的に済ませることができることから増えていると思われます。また、リビング階段にすることにより生まれた有効なスペースをこのような収納スペースとして設けている人も少なくないのかもしれません。


「廊下に階段」、減少傾向

直近5年間で廊下に階段を設置する住宅が6%減少したことがわかりました。近年、廊下ではなく、リビングの中に階段を設置するリビング階段が増えています。リビング階段を採用する理由としては、「家族のコミュニケーションを取りやすくするため」という方が多いようです。2階の自室へ行くためには必ずリビングを通らなければならないので、家族全員が自然と顔を合わせるようになります。そして廊下のスペースが小さくなることにより、家族と過ごすリビングを大きくすることや、収納を設けることが可能となり、より有効的にスペースを使えるのです。


コミュニケーションを重視する「対面キッチン」を導入する家庭が増加

2009年の対面キッチン導入数と比較して、2014年は増加している傾向にあります。対面キッチンはリビングの様子がひと目で確認することができ、キッチンで家事をこなしながら、家族とのコミュニケーションを取ることができる、というメリットから導入する家庭が増えていることが伺えます。


調査概要

【調査タイトル】アキュラホーム「2014年住宅傾向」
【調査対象】同社が手がけた住宅のうち

上記2点を踏まえて、出した調査の結果をまとめたものである。

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