• 3住み研究会
  • 2016/06/01
3住み研究会主催シンポジウム
日程2016/03/02
場所すまい・るホール

第2回『変わる女性と住まい』開催報告


女性はどう変わったのか?
東京大学大学院助教 山本委員

家電製品と家事について、洗濯機を例に説明。一回あたりの洗濯時間は減少しているものの、清潔さの要求水準が向上したことにより洗濯回数が増加し、洗濯にかかる時間は減っておらず、女性の家事は楽になっていない」と展開しました。

また、日本の有業有配偶女性は、配偶者や子どもの世話のために、労働時間が男性と比べて非常に長く、「子どもが小さいときの時短勤務や復職しやすい再登用制度が必要で、ワークシェアリングを考えていく必要がある」と結論付けました。


住まい方はどうなるか
京都府立大学大学院教授 檜谷委員

戦後の住宅は夫が外で働き、妻が家事や子育てを担うと想定されていましたが、働く女性が増えたことで、求める住まいが変化したと考察。「女性が仕事と家庭を両立させる場合、ライフステージ・ライフスタイルに適合する住まい方を考える必要がある」と述べました。

また、コストをかけずに居住水準を維持して安心や相互作用を期待するために「誰かと住まう」という考え方があり、「家事やケアワークを誰とシェアし確保するか」が住まいのあり方のテーマだと結論付けました。


パネルディスカッション
「変わる女性と住まい」

「子育てで職を離れても再登用していくシステムが必要で、住宅も支援していく形が求められるのではないか」(山本委員)。「選択的に家族と暮らせる人をつくるために社会的なサポートや異なる住まい方を増やすことが重要」(檜谷委員)。「女性は人生が長く変化が多いので、柔軟に使いこなせる住宅が求められている。」(園田委員)。「生活が変化する時に、ふさわしい場所に住み替えることが暮らしの質を確保するポイント。」(大久保委員)。「何をシェアしてどうしていくかが課題。長期間持つ家を社会のストックにすることが大切」(野間委員)。

最後に髙田委員長が「これからの住まいは、女性をめぐる多くの議論と切り離すことはできない。人と人との関係、市場サービスを住まいにどう取り入れるか。その仕組みも含めて考えていかなければならない」と結びました。

写真(左から) : 京都大学大学院教授 髙田 光雄 委員長 / 日本ぐらし株式会社代表取締役 野間 光輪子委員
        明治大学教授 園田 眞理子委員 / 株式会社風 代表取締役 大久保 恭子委員 /
        京都府立大学大学院教授 檜谷 美恵子委員 / 東京大学大学院助教 山本 理奈委員
一覧に戻る